書評

『藁を手に旅に出よう』を読みました。

最初に

働き始めると学生の頃には思わなかった、多くの悩みを抱える方がいるかと思います。
私自身も働く中で、多くの方と関わって様々な悩みを抱えてきました。

悩んだ結果、私はフリーランスエンジニアとして独立する道を歩むことになったのですが、フリーランスになってからも悩みは絶えずって感じで、どうしても『働くこと』と『悩み』は必ずセットになる感じがしますね。

こういった『働く』についての悩みって誰もが通る道で、人によって色んな捉え方があり、人によって色んな答えを持って人生を歩んでいくところがまた面白いところですよね。

今回紹介する著書はこの『働き方』をテーマにされている本で

  • キャリアについて
  • 学び方について
  • 働く意味について

などの社会になって誰もが抱える悩みについて、
少し『モヤモヤ』が晴れて前に踏み出せるようになるような本です!

人によって今の状況や立ち位置、悩みの度合いなどによって感じ方は異なるかと思いますが、それでも何かしらの気づきは得れる本かと思います!

News Picks取締役の『佐々木紀彦』さんも推薦する中で『すべての20代、30代に読んでほしい』と言っています!

本当にその通りで働き始めて色んな悩みを抱える20~30代にお勧めですが、
その中でも特に下記の方には刺さる内容かと思います!

  • 仕事との向き合い方に悩む方
  • 転職を考えている方
  • 新入社員の方

そんな『藁を手に旅に出よう』ついて、早速ご紹介していきたいと思います(*’▽’)ノ

『藁を手に旅に出よう』概要

タイトル 藁を手に旅に出よう “伝説の人事部長”による「働き方」の教室
著者 荒木 博行
出版社
文藝春秋
発売日 2020/9/17
目次
  • プロローグ
  • 目次
  • Session1 亀が戦略的にうさぎに勝つ日
  • Session2 裸の王様が生み出す空気に勝てるか?
  • Session3 オオカミ少年に罪はない
  • Session4 桃太郎に大儀はあるのか?
  • Session5 北風は相手への憑依が足りない
  • Session6 藁を手に旅に出よう
  • Session7 浦島太郎はなぜ竜宮城に行ったのか?
  • Session8 アリがキリギリスに嫉妬する理由
  • Session9 花咲か爺さんの人生の尺度
  • Session10 大きな蕪(かぶ)を分解する方法
  • Session11
    ディファニーちゃんが問いかけるあなたにしか見えない未来
  • Session12 君はレンガの先に何を見るのか?
  • エピローグ
  • あとがき

著書の概要

『大人になったら何になりたい?』という一言から始まるこの著書。

『こうなりたい!』という夢を持たない主人公『サカモト』は、『何になりたいのか?』という質問を避けるように生きてきた。だが、大学3年生の夏に就活が始まるにつれてこの質問は超リアルな問いに変わって行った。

中途半端な気持ちで始めた就活は『一番まともそう』という理由で地味な中堅企業に内定を決める。その会社はOB訪問の中で『人を成長させる』と評判のある会社で『僕みたいな取柄のない人材でも成長させてくれるかもしれない。』という淡い期待も抱いていた。

『人の役に立つことが出来るのだろうか?』
『ちゃんと仕事が出来るのだろうか?』

そんな怯えに近い感情を抱えたまま迎えた新入社員研修で、
サカモトとその同期たちの前に現れたのが伝説の人事部長『石川さん』!

そんな石川さんの教えの中、様々な気づきを得てサカモトや同期たちが成長していく!

といった物語形式の著書になります!(*’▽’)ノ

石川さんの教えを基にサカモトや同期たちが得る気づきに
社会になって誰もが抱える『モヤモヤ』を解決するヒントが散りばめられており、
一緒になって学べるのが特徴ですね!

ちなみに、Session1~6は『新人研修』、Session7~12は『3年目研修』で、これから『仕事をこれから始める立場』と『仕事をやって暫く経過した立場』での2種類の観点で学べることも気づきが得れるポイントですね!


 

また、その他の特徴としては目次を見ても分かるかと思いますが、
教えに使われる題材が誰もが知っているような『寓話』を使用されています!

  • 『ウサギと亀』
  • 『北風と太陽』
  • 『アリとキリギリス』

具体的に知ってはいなくても、何となくどんな話かは分かるかと思います!

こんな誰もが知っている『寓話』を題材にするからこそ、
分かりやすく学べるというのが、この本の良いところですね!

『こんな誰もが知っている話を使って学べるの?』って感じる方もいらっしゃるかもしれないですが、『疑いの目で寓話を読む』ということをやっているのがまた面白いところ!

『なるほどー…そんな解釈が…(゜o゜)』

って感じで関心させられました。笑

詳しくは「『藁を手に旅に出よう』で学んだこと」の項目でお話していきたいと思うので、ここでは割愛させて頂きます(*’▽’)ノ

著者について

著者は『世界倒産図鑑』『ビジネス書図鑑』などの著書を手掛ける『荒木博行』さん。

様々な顔を持っている方で『株式会社学びデザイン代表取締役社長』や『Voicy「荒木博行のbook cafe」』『武蔵野大学アントレプレナーシップ研究所客員研究員』など、多くのことを手掛けています。

学びデザインのオフィシャルサイトの中で『5つの顔』を紹介されています。

  • 教育者
  • ビジネス書執筆者
  • 事業創造者
  • ビジネス書案内人
  • イラストレーター

ビジネスに関してだけでなく、イラストレーターの顔を持っているのは面白いですね!

イラストを添えながら、難しい内容をより吸収しやすくすることを実践されていて、『藁を手に旅に出よう』の中でもイラストを描かれており、分かりやすいです!
(イラストがまた可愛らしくて好きなイラストです!( *´艸`))

オフィシャルサイトのブログに日々の日常をイラストに描いていて、凄いほんわかします!
良かったらご覧になって見て下さい(*’▽’)ノ

https://manabi-design.jp

『藁を手に旅に出よう』で学んだこと

では、『藁を手に旅に出よう』を読んで私自身が学んだことを話していこうと思います!

  • 『疑問を持って読む』ことで気づきが得れる
  • 『気づき』はタイミング
  • 『目的』への手段は一つではない

『疑いの目で読む』ことで気づきが得れる

前述した通り、この著書は『寓話』をそのまま読むのではなく、
『疑いの目で寓話を読む』ことによって学びを得ることが特徴になっています!

『疑いの目で寓話を読む』ってどういうことでしょうか?
Session1で紹介されている『うさぎと亀』を例に話していきましょう(*’▽’)ノ

Q.『うさぎと亀』の話から何を学ぶことが出来ると思いますか?

いきなり質問してしまいましたが、著書の中で同様の問いを『石川さん』は、主人公『サカモト』と同期であるお調子者の『ヤマダ』に問いかけています。

「いや、やっぱり勝負は最後までわからないから、油断をしてはならないってことですよね。亀のように愚直が大事っす」

藁を手に旅に出よう P18

皆さんも『ヤマダ』のような解釈でいる方が多いのではないでしょうか?

『石川さん』は『うさぎと亀』にはそんな解釈よりも
100倍大切なメッセージが隠されていると言い放ちます!ナント…(゜o゜)

では、『自分が亀だったら、圧倒的に足の速いうさぎに対して勝負を挑みますか?』
と言われたらどうでしょうか?

こう答えるとほとんどの人が『NO』と答えるんじゃないでしょうか?

少なくともほとんど勝ち目がない『かけっこ』よりも、
まだ自分の勝ち目がある戦いを挑む方が殆んどではないでしょうか?

それを踏まえて、この亀の性格について考えてみて下さい!
『挑発するうさぎ。カッとなって勝負を挑む亀…。』

つまりこの亀は『短期的な性格で、一時的な感情に負けて勝負を挑んでしまったのではないか?』という仮説が出来るかと思います!

たまたま勝負に勝てて良かったものの、うさぎの挑発に乗って勝負を挑んだ時点で亀の負けだったのかもしれないですね!笑

更に石川さんの話は続きます!

「そして、そこで一時的な感情で決めてしまったことで、長く不毛な戦いをしなくてはならないことって――実はたくさんあるんです。まるで亀が延々と続く、勝ち目のない道のりを歩むように」

「このうさぎと亀の戦いみたいに、個人同士の短期的な勝負だったらまだいい。悲惨なのは、組織同士の長期的な勝負です。偉い人たちが勝手に勝ち目のない勝負に挑んで、そのまま従わざるを得ない下っ端の気持ちを想像してみて。これはもう犯罪とも言えるレベルなんです」

「でもね、そんな偉い人に限って、亀のように地道に歩くことの重要性を語ったりするんです……皮肉なことにね」

藁を手に旅に出よう P23-24

石川さん結構毒舌ですよね…。笑

他にも補足内容はあるのですが、簡単に言えば愚直に努力する美徳として受け入れてしまってはダメで視点を変えればこの亀は『フィールドを選ばずうさぎに勝負を挑んだ愚かな姿』という捉え方もできるかと思います!

つまり、

『ウサギと亀』では、一時的な感情で戦うフィールドを選ぶのではなく、
『戦略的にフィールドを選び、そのフィールドで努力をすることの大事さ』
について学ぶことができる『寓話』

という新たな解釈が出来るというのが新たな気づきになります!
こういわれると『確かに!』って感じになりませんか??

この話だけでもまだP33ですよ!( ゚Д゚)ヒエー

このように書いてある物語をそのまま捉えるのではなく、
「『疑いの目』で物語を読んでいけば新たな気づきが得れる」ということに
気づかせてくれるのがこの本の魅力ですね。

他の寓話にも同じような目線で解説されており、個人的に好きな話は下記です!

  • オオカミ少年
  • わらしべ長者
  • 浦島太郎

皆さんも是非読んでみて下さい(*’▽’)ノ

『気づき』はタイミング

この物語では新人研修だけでなく、Session7からは『3年目研修』で仕事を熟してきて暫く経過して同期たちが再び集まる様子も描かれています!

3年目と言えば仕事に少し慣れてきて、奮闘している頃じゃないでしょうか?
私も会社員3年目といえば同期の状況を色々聞くのが楽しかったりしました!

この作品の中でも同期内でも成長度合いがバラバラに描かれており、職場で上手くいっている人もいれば、なかなか上手くいってない人もいる…。主人公の『サカモト』に至っては転職を考えたりしますね!(笑)

そんな中、お調子者の『ヤマダ』が悩みを打ち明けています。

「僕は今できていないことが多すぎるんです。正直言えば部署の厄介者。そんな時に、価値観を多様化するっていうことを考えてもあまり生産的ではないなと。とにかく今僕にとって大事なのは、一つの尺度、つまり数字を上げる、ということを実現して、組織の一員として認めてもらうことなんです。だから、多様な価値観と言われてもピンと来ないし、さらに言えばそんな僕に『キャリアプラン』とか言われても、現状から逃げているみたいで全く現実味が持てないんです」

藁を手に旅に出よう P223-224

それぞれに仕事を行ってきたからこそ色んな想いが背景にあるので、研修という同じ場所で同じ話を聞いていたとしても捉え方が異なり、人によっては凄い刺さることもあれば全然納得いかない人もいる。

これって実際に身の回りにも同じようなことがあったりしませんか?

私の場合は東京で著者イベントに参加した時に、想いが刺さって行動に移す人もいれば、なかなか踏み出せない人もいる。話を聞く側で参加してたのに、気が付いたら中の人になっている人もいましたね!(笑)

ここまでの行動に移すかどうかは性格面もあるかもしれないですが、『気づきを得れる』かどうかは、その人が歩んできた『背景』や『タイミング』が大きいと感じました。

今は気づけなくても、別の機会に同じ話を聞いた時には『これを伝えたかったのか!』と納得することもありますよね?読書も読み直すことでの気づきはよくあるものです!

どのタイミングで気づくかどうかも人それぞれで、理想の立場に立てた時に気づく人もいれば、その立場から離れた時に気づく人もいたりします。

石川さんが『リーダー』という言葉の意味が気づいた時の話をしてくれています!

『そして、私にその言葉の意味がわかったのは、皮肉なことにリーダーという肩書を外されてからだった。出世争いの競争から外されたことはこの前話したと思うんだけど、ようやく先のことを考える時間ができたんですね。この会社において、私みたいな視野の狭いリーダーを作らないためには、どんな会社であるべきなんだろう?どんな制度が理想なんだろう?って考えた。考えに考え抜いた結果として、私にはある理想形が見えたの。自分で考えながら、『あ、こういう会社で働きたい』って心の底から思った。だからそのような会社にするために、私にできることはないかと。その瞬間、私は『リーダー』になったのだと思う。松山さんは私のその考えを理解してくれて、人事部へと異動させてくれたんです』

藁を手に旅に出よう P253

『ヤマダ』が悩むように周りと比べて焦ることはよくあることだと思います。

ただ、周りの人が『気づき』を得て前に進んでしまっているからといって自分自身に焦りを感じる必要はないです。今そのタイミングじゃなかったと割り切って、『気づき』を得れるタイミングを待っていれば良いかと思います!

たまには読書とかセミナーの内容とかを振り返ってみたら、その時は気づけなかったことも気づけるかもしれないので、是非やってみてください(*’▽’)ノ

『目的』への手段は一つではない

最後にキャリアを『竹』に例えられており、
『なるほど!』って感じたのでご紹介しておきます!

『竹』に節目があるように、キャリアにも節目があると。節目の時は、精一杯キャリアのことをデザインする必要があるけど、節目を経たら、思うがままに漂流してみることも大事だ、ってね」

『竹は節目があるからこそ、強くてしなやかなのだ』と。つまり、節目がなければ竹はポッキリ折れてしまうのね」

P267

このように、人は色々と経験した数だけ、『強くしなやか』に育っていく。
一つのことだけにしかやっていなかったらその道が途絶えた時にポッキリ折れてしまう。

『色々と経験してみよう』って気持ちになることが出来ました!

ただ、闇雲にやるのではなく『自分の目的って何だろう?』って考えたうえで、別の手段を考えてみるという『目的のピラミッド』というのをこの著書では紹介されています。

自分の今やっていることの『目的って何だろう?』って考えて一段階上に上がり、『別の手段って他に何があるだろう?』というのを考えてみる感じですね!

私みたいに『ブログを書く』という行為も目的で言えば『アウトプットの練習』であったり、『お勧めを紹介したい』って想いがあったりしますが『他の手段はないかな?』って考えてみる感じです。

皆さんも『強くしなやか』になれるように、多くのことに挑戦してみてください(*’▽’)ノ

最後に

今回は『藁を手に旅に出よう』をご紹介してきました!
本当に『夢をかなえるゾウ』といい、物語形式で学べる本が好きなんでしょうね!笑

あと私自身が寓話が好きというところもあったので、
是非色んな方に見て頂きたいと感じたので今回はご紹介しました!

キャリアってなかなか悩みが途絶えないものかと思いますが、
これを読んで、少しでもモヤモヤが晴れる方がいれば幸いです( *´艸`)

是非読んでみて下さい!

ここまで見て頂いてありがとうございました!
また次回もよろしくお願いします!

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くり坊
Web系フリーランスエンジニア